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恒例行事となっている社内パーティーを、毎回ゼロから準備・運営するのは大変なこと。参加メンバーの調整や日程にはじまり、予算立てや会計管理、会場手配や料理メニューの決定などなど、その都度、白紙の状態から立ち上げていくのはあまり効率的でありませんよね。
そこで、おすすめしたいのが「振り返り」の習慣です。次回の幹事がよりスムーズに取り組めるよう活用性の高い記録を残しましょう。今回は、社内パーティー後に行いたい効果的な「振り返り」の方法を紹介します。
「振り返り」を行う一番の目的は、次のアクションへとつながる記録を残すこと。社内パーティーの振り返りであれば、参加者の満足度向上を目指すのはもちろん、次回がよりスムーズに進められるような情報をまとめておく必要があります。社内イベントの幹事は、日々の業務と兼任していることも多く、限られた時間のなかで準備を進めなければなりません。「振り返り」を通して社内パーティーに関わる情報を蓄積することで、次回の準備が効率的になるとともに、企画運営が毎回ブラッシュアップされていくのです。
では、具体的に、活用しやすい「振り返り」を進めるためにはどのようにすればよいのでしょうか。
プロジェクトワークでも使われる振り返り法のひとつに「KPT」法があります。KPTのアルファベットは、それぞれ「Keep=うまくいったこと」、「Problem=うまくいかなかったこと」、「Try=次に生かすこと」を意味します。「KPT」法は振り返りのフレームワークの定番で、業務の改善や生産性向上のためによく使われるもの。洗い出すテーマを明確にすることで、短時間のうちにより効果的な「振り返り」ができることが「KPT」法の特徴です。
まずは「うまくいったこと」の振り返りから。振り返りというと失敗したことや、できなかったことに目を向けてしまいがちです。「うまくいったこと」の発見は、成功体験の共有により、場の雰囲気も良くなります。建設的で前向きなミーティングを行うためにも、Keepから始めてみましょう。
例えば、アンケート結果や参加者の声、実際に運営に関わったスタッフの感想から「うまくいったこと」「よくできたこと」をみんなに見えるように大きく書き留めます。「料理がおいしかった」「あのシーンの音楽はよかった」「予定通りに進んだ」など、小さなことでもよいので、思いつく限りのことをすべて発表し、全員で共有することがポイントです。
Problemでは「うまくいかなかったこと」を振り返ります。Keepの場合と同じようにアンケートや感想を中心に「うまくいかなかったこと」「失敗したこと」から「ちょっと気になること」など個人で気が付いたことを並べてみましょう。ここでも思いつくことをたくさんあげるのがポイントです。個人で感じているProblemをチームで共有することで次回へとつながる解決の糸口が見えてくるかもしれません。誰かが抱えていた1つのキーワードからより具体的な話へと展開してもよいでしょう。例えば「料理がおいしくなかった」という意見があれば、「おいしくなかったのは料理が冷たかったから」、「料理が冷たくなってしまったのは開始時間が押したから」など、原因を深掘りしていくことで、次のTryにつなげやすくなります。
KeepとProblemでの洗い出しをもとに「次に生かすこと」を考えることがTryです。Tryを具体的なアクションにすることで、次回へのブラッシュアップにつながります。例えば「料理をもっとおいしく」という反省点については、「料理の搬入時間を調整する」「保温容器を準備して時間のずれに対応できるようにする」「冷たくてもおいしい料理を用意する」といった改善点を具体的に示すことで、次回開催時の案内役としてTryが機能するはずです。また、ProblemからTryを導くことも大切ですが、KeepからTryを生み出すことも同じくらい大事なことです。今回うまくいったからといっても、次回も同様にうまくいくとは限りません。「うまくいったこと」の理由も振り返りながら、Keepをさらによいものとして次回へとつなげましょう。
振り返りによって明確になったTryは、次回のKeep、Problemへとつながり、振り返りを続けることでまた新しいTryが生まれます。振り返りを習慣づけることで、成功したことも失敗したこともより具体的な経験として蓄積されていくことになります。積み重なった多くの経験とその記録は、企業にとって大切な財産です。次回のパーティーをさらによいものにするために「振り返り」を習慣にしましょう。